「俺もう少ししたら出かけるから、鍵持ってろ。」


そう言ってレンは自分のキーケースから鍵を外しあたしの手の平に乗せてくれた。


「えっ、でもあたし仕事あるから。」

「あぁ、もう一個鍵あるから大丈夫。」

「そっか。」


レンが仕事に行くなら帰れば良かったのに、あたしはそのままレンの家で一眠りする事にした。


目が覚めたのは太陽が傾き始めた夕方で、もちろんそこにレンの姿はなかった。