ベッドサイドの椅子に座っているのは、全身を真っ黒でまとっている男。 「気が…ついた?」 「何で…?」 「和香ちゃんから連絡もらったんだ。」 「何で今更来たのよ…。」 「…ごめん。」 会いたくて、会いたくて。 来てくれて嬉しいのに、可愛くない言い方をしてしまう。 けれど、気持ちは正直でとめどなく涙が溢れてくる。 そんなあたしの頭を、レンは何度も何度も優しく撫でてくれた。 「…会いたかった…。」 しゃくりあげるように呟いた言葉に、レンは悲しそうな目をしながらにっこり微笑んでくれる。