お客さんを楽しませるのがあたしの役目なのに、楽しませるどころかつまらない思いをさせてしまっている。 まだ接客中だというのに、あたしは店長に事務所に来いと言われてしまった。 「お前はやる気があるのか?」 「あります。」 「顔色だって悪いし、全然接客が出来てないだろ。」 「すみません。」 「仕事にプライベートを持ち込むな。 お客様だって、決して安くはない金を払ってお前と楽しい時間を過ごしたいんだ。」 「…はい。」 「今日はもう帰れ。」 「気持ちを切り替えるんで、接客させてください。」