シゲの顔が見れなくて、あたしは下を向いてしまう。 「わかりました。 じゃあ、帰ります。 おやすみなさい。」 「おやすみ…。」 シゲが車に乗り込むと、キュッと音を立てて急発進して行ってしまった。 部屋に入ったあたしは、ヨロヨロとベッドに倒れ込む。 カーテンの隙間から差し込む月明かりが、あたしの顔を少しだけ照らしていた。 シゲを傷付けてしまったあたしは、一睡もする事なく仕事へと向かう。 胃に何も入っていなくて、さらに睡眠不足も手伝ってか、お酒がなかなか進まない。