「…っ!」 レンがあたしの中に入ってきた瞬間、あたしは思わずギュッとシーツを掴んだ。 「ミユ…。」 まるで割れ物を扱うかのように、レンは優しく優しくあたしを抱いてくれた。 何でだろう。 悲しくなんかないのに、涙が一筋流れ落ちた。 と、ほぼ同時にレンはあたしの中で果てた。 二人の乱れた呼吸だけが、この静かな部屋に響き渡る。 煙草に火を点けたレンの胸に頭を預けてみれば、トクトクと鼓動が聞こえてあたしは何故だか安心していた。 「お前、今から寝る?」 「うん、ちょっと眠いかな。」