「いや、俺あんまり家に居ないし寝る為だけに帰ってくるってかんじだからさ。」 「そうなんだ。」 仕方なくあたしはビールを床に出し、いきおいよく缶を開けた。 「じゃあ乾杯。」 「おう、乾杯。」 殺風景な部屋だけど、照明がほんのりと明るいせいかそこまで冷たい感じには思えなかった。 「ところで、お前の名前は?」 「ミユ。あんたは?」 「レン。」 レンって名前が本名かどうかわからないけど、なんとなく似合っていると思った。 あたし達は他愛もない話をしながらビールの缶を開けていく。