彼の下げている袋にはビールが入っていて、あたし達はそのまま彼の家に向かった。
コンビニから徒歩3分といったところに彼のマンションがあった。
まだ知り合ったばかりで、この人がどんな仕事をしているかなんて知らないけど、マンションの外観を見ただけで金持ちなんだろうと予想が出来た。
「入れよ。」
「お邪魔します。」
ここまで来てあたしは、“知らない人について行く女じゃないのになぁ”なんて今更思ってしまう。
「引っ越して来たばっかなの?」
リビングに入るなりあたしは目を丸くした。
まるで生活感のない部屋で、テレビやテーブルさえない。

