車の中は音楽がかかってるわけでも、会話が弾んでるわけでもないけど、あたしはレンとのこの空気が好きだった。 ただ同じ空間に居るって、それだけでも楽しく感じる。 「俺にもくれる?」 あたしがさっきコンビニで買ったポッキーを食べていると、レンはチラチラとこっちを見ながら言ってきた。 「はい。」 一つポッキーを取りレンの口に入れてあげる。 あたしの勝手なイメージで、レンはお菓子なんて食べないと思っていたから、ポッキーをくわえている姿が可笑しかった。