あたしは、まだ母親とのこれからを考える事なく、モヤモヤしながらも穏やかな日々を過ごしている。
「最近本当暑くなってきたよね。」
「俺、意外と暑さに強いよ。」
「意外だわ。
レンはわがままそうだから、暑いのと寒いのがヤダって言いそう。」
アハハとあたしが笑っていると、珍しくレンのケータイが鳴った。
「はい。
えっ、マジっすか?
…わかりました。
すぐ向かいます。」
電話を切るなりレンはふぅっとため息をついた。
「わりぃ、俺行くわ。」
「うん。」
「忙しくなりそうだから、しばらく来れないかもしれない。」

