「なんでこんなとこにいんのよ!」

 ミカは驚いて声を張り上げた。出会った時とは違う服を着ているけど、なんか汚れてる。

「あれから、すぐに捕まってしまってね」

「捕まったぁ!?」

 ミカは唖然とした。

「……」

 そんな事、笑顔で言う事か。

「誰、誰? この人。ミカの彼氏?」

 友達が彼女に気付いて駆け寄ってきた。

「えっその~」

 どう説明しよう……

「こんにちは」

 ベリルはにっこりと笑って挨拶する。

「格好いいじゃん。紹介してよ」
「ベリルだ」

 当惑しているミカをよそに、ベリルは手を出して握手を求める。ある意味、助かったけど。とミカはホッとした。

「ミカの彼氏?」
「外人なんて、やるわね~」

 すかさずベリルは、言った友達に顔を近づける。

「え、何?」

 整った顔が間近に来て、その友達はドギマギした。

「外人ではない、外国人。OK?」
「は、はい」

 そこはこだわるのね……

「外人という言葉は失礼に値する事もある。良いイメージを持たない者もいるのだ」

「そうなんだ」
「気付かなかった~」