「応援を呼んだから。それまではいて頂戴ね」

 ベリルは仕方ないなと同意した。敵を縛り上げて応援を待つ。その間、マリは彼から目が離せないでいた。

 174cmほどの身長。綺麗な金色の髪は、少しの風にもなびくと思われるくらいサラサラとしている。

 ショートだが、後頭部辺りが少し長めだ。そして、エメラルド色の瞳は高価な宝石を思わせる輝きを見せていた。

「まあ正直、ちょっと安心した」

 ぼそりとベリルがつぶやく。

「え?」

「こういう事が無ければ、ここ破壊したから」

 平然と、軽く言ってのけた。マリは唖然とした。破壊するためにわざと捕まったのか……

「そろそろ来る頃だな」

「あっ」

 マリはベリルが進めた足を、腕を掴んで引き留める。

「?」

 怪訝な顔をするベリルに、

「連絡先、教えて」

 言われて「ああ……」と、小さく声を上げて近くにあった筆記具を手に取る。

「依頼ならいつでも受付ける」

 何かの番号だけが書き記されていた。