「ここ数年、狙ってる奴なんていなかったものだから、つい油断してしまった」

 ベッドに腰掛けて右膝に片肘をつき、目を据わらせて独り言。

 彼が何故、捕まるのか。その理由は意外と簡単だったりする。

彼、ベリル・レジデントは不老不死なのだ。

 金髪のショートヘア、エメラルドの瞳。外見は25歳ほど。25歳の時に不死になったため、25歳の見た目で止まったという訳である。

 現在の年齢は、おそらく50歳ほどだろう。

「ふむ……」

 おもむろに立ち上がり首を回す。その顔は、少し怒りを表していた。

「いくら人が死なないからって、像用の麻酔針はないんじゃないか? もの凄く痛かったぞ」

 そしてドアが開き、銃を構えた男がぶっきらぼうに口を開いた。

「出ろ」

 それにベリルは、眉をひそめて発する。

「ノックぐらいしろ」

 文句を言える状況ではないのだが、ドアに近づくと別の男が彼に手錠をかけた。

 それに、ベリルは再び溜息を吐き出した。