瞳に映るエメラルド

「ミッシング・ジェムになる前はキメラだった。まあ今でもだが」

「……『キメラ』?」

 また聞き慣れない言葉が……

当惑するミカに、

「数多くのヒトDNAを合成させた人工生命体」

 平然と、自分を指さしてベリルは説明した。

「へ、へえ~そうなんだ」

 驚く暇がない。

「人工って……いや、その前に、初めから不老不死だった訳じゃないの?」

「うむ。依頼で警護してた奴がな、そういう力を持っていて。それを私に使ったのだ」

 お菓子を口に運びながら語る。

「……」

 ミカは、そんなベリルを呆然と見つめる。

 そういう映画があったな。ジャッキー・チェンの映画だ。いやマテマテ。これは映画じゃないし、それ以前に人工生命体ってあるじゃん。