笑美の心臓は 音を立てて 縮まった。 幼い頃から 受けた傷のせいで、 彼女の言葉や 存在はそれだけで 笑美の身を縮める。 バクバクと 苦しいくらい 波打っている 心臓。 凍りつこうとする 体。 笑美は必死で、 自分の体に 動きを与えた。 薔薇の陰から サバイバルナイフを 取り出した。 今日の日のために 買ったものの中で、 一番高価だったもの。 笑美はそれを しっかりと 握り締めた。