完全に見下した

態度の姉が

笑美を見ていた。

何をしに来たのと

その目が

言っている。


「どいて。」
 

二次会へ

行くのだろう。

スレンダーな

その身体に張り付いて

優美なラインを

描いている、

赤いドレス姿だった。

傍に修二の姿は

なかった。

姉の結婚した相手。

あたしの義兄に
なる人。


ついでに言うと

あたしが好きだった

先輩。
 
大学を卒業してから、

オトコを

とっかえひっかえ

していた姉は、

最後に先輩を

引っ掛けて

ゴールインした。

結婚したのは、

あたしが先輩を

好きだったから。

それだけの理由

なのは分かっている。