「あの日はねぇ…」


そういって雄子は語り始めた。


―――……‥

「上村ぁぁぁぁぁ!起きろバカー!」

朝から騒がしく雄子の眠りをさまたげたのは、男友達の山田だった。


「なに!?こんな朝早く…」

「いいーから早く起きろっ!今日はお前の合格発表日じゃんかよ!」

「山田に関係ないでしょーが…」

「関係ありありだッ!」


どうせかわいい女の子を探すためだろうことは察しが付いたが、自分の合否を確かめる必要はあるのでとりあえず起きた。


「じゃぁ…眠いから見て来てよ…番号は525くらいだから………」

「くらいってなんだよ!」

「どうせ受かってるし。」

なんて自信だ。

「もうなんでもいいからこれに着替えろ!」


そういって山田はポロシャツとジーンズをとりだした。

普段は制服以外ほとんど着ないし…何より眠い雄子は着るものを特に気にせず着替え、そのまま山田とチャリをこいで出発した。


―――……‥

「以上。」

「雄子…眠かったらなんでもいいんだ?」

「んー…別におしゃれして出かけるほどのことでもなかったし」

第一、おしゃれは苦手だもん!

というわけらしい。