モテる女とモテる?女

いやだもう上村くん純粋さに欠けるんだからぁ!


(お前さんだれだべや?)

(お前がな。)



そして2人を追いかけていた野次馬たちは一斉に校門を抜けたりしようとするもんだから、先頭の人達がひっかかって雪崩を起こしたかのようにパタパタと倒れていった。


ご愁傷様です☆




っと、ばかはほっといて裕美ちゃんたちをおいかけようぜ!


(だれだべや?)

(お前がな。)



「あー…大丈夫ですか?」


上村くんはまだ不機嫌さが抜け切ってない声で聞いた。

でも裕美ちゃんは、上村くんが不機嫌だろうがなんだろうがそんなの関係ないようだ。


「ありがとうございましたっ!」


………もうでれでれのようだ。

しまいにはセクシーさをアピールしようとしてせっかくのかわいさが台無しである。



「あのー私、帰っていいですか?」

上村くんが視界をふさぎながらうなった。


って…

私?


わ た し !?


WA TA SHI ??



(しつこいっぺよー)

(んだんだぁ)



裕美ちゃんはあまりに惚れすぎて“私”という一人称さえ愛しく思え、顔はもはやリンゴだった。


「あはは!“私”だなんて、時代劇のお侍さんみたいで紳士的ぃっ!」


侍と紳士を結び付けるとは‥

頭が相当逝っちゃってるよ、裕美ちゃん‥。