「いや、花音はお前も好きみたいだから、手加減しない事にした。」


お前“も”って事は、自分の事も好きだと思われているのね・・・？

そして、隆志は何故かリョウに向って笑っているし。

この兄弟、意味分からない！


「花音？」

「ん？」


突然リョウは私に話をふる。


「最初はあんな形で、花音に近づいたけど、途中から本気だったよ。でも・・・。」

「ん？」

「なんでもない。」

「何よ！」

「僕は兄さんも花音もどっちも好きってこと！」

「ん・・・？」


私はリョウを見ながら首を傾げる。

そして、この時、私はこの言葉の意味をあまり分かっていなかった。

リョウがある決断をしていたという事を。