隣の彼はイケメン兄弟?!

「やめろっ!」

「おまえ、前に言ってたよな?兄貴の許婚がくるから、その女を兄貴から奪うって。花音ちゃんてそうなんだろう?ただのゲームなんだろう?」

「やめろっ!」



リョウはトオルの腕を放した。

リョウは私を本気で見てくれていたんじゃなかったの?

ただの、ゲーム・・・だったの?



「リョウ・・・。」


私は、リョウを見る。

違うって言って!



「リョウ?違うよね?隆志から私を奪うだけのゲームじゃないよね?」

リョウは下を向いたまま何も言わなかった。


「リョウ!何とか言ってよ!」

私は、リョウを信じたかったのに!


「もう、リョウなんて知らないっ!」

私は、バッグを手にとり、その場を立ち去った。




「あっ、ファスナーあげなくちゃ。」


私はファスナーをあげ、リボンを結わく。



私の涙は止まらない。

リョウのばか・・・。

リョウのばかぁ・・・。


信じてたのに!


私は涙も拭わず一人歩いた。

夜で良かった。

そのおかげで、涙は誰にも気付かれなくてすんだから・・・。