「俺にあまり心配させるな。涼太にも新藤にも振り向くな。」

「えっ・・・?」

「俺だけを見ろ。」


隆志の手は私の頭を優しく撫でる。


「新藤さんはただ話していただけだよ?リョウは・・・。」


私には分からなかった。

リョウの存在は私にとってどのくらい大きなものなんだろう。


「ねぇ?私がもし、リョウが好きだったらどうするの?」

「好きなのか?」

「分からない。でも、リョウも隆志も嫌いじゃない。」

「そうか。」


隆志は頭を撫でていた手を止めた。


「それでも・・・俺は待ってる。いや、振り向かせてみせる。だから安心しろ。」

「ふふっ、安心って。」

「お前は俺を好きになる運命なんだ。」


その時、私たちの頭上を流れ星が通った。


「あっ・・・。」

「流れ星か。」

「今の、隆志の言葉願い事になるのかな。」

「さぁな。」


隆志は笑っていた。

そして、翌日。

今日と同じように研修をして、夕方私は隆志と自宅へ帰った。

昨日の夜の事が何も無かったかのように隆志は普通に接してくれた。