隣の彼はイケメン兄弟?!

会社を出ると、隆志は私に話しかけてきた。


「花音?」

「なっ、何?」

「最近、涼太と何かあったのか?」


隆志は何かを気付いたのだろうか?


「べっ、別に何も?」


今、お風呂に入りに来ているという事は、リョウと私の秘密。

そして、あのキスも・・・。


「今度の月曜日と火曜日、研修の手伝いしてくれないか?」

「手伝い?私で出来るの?」

「あぁ、大丈夫だ。一緒に書類も作ったし、内容は大体分かるだろ?」


まぁ、そうだけど。


「じゃあ、明日課長に言うから。」

「うっ、うん。」

「セミナーハウスでやるからな。」

「えっ?」


セミナーハウスと言えば、ここからあまり近くない。

新幹線に乗って、それからも少し時間がかかるはず。


「もしかして、泊まり?」

「あぁ。」

「都合が悪いか?」

「大丈夫だけど・・・。」

「じゃあ、よろしくな。」

「う、うん。」


こうして、私が隆志の研修のアシスタントになる事が決定した。


泊まり・・・か。

明日、リョウにこの事言うべきだよね。


私と隆志は、そのまま何も無かったかのように家路についた。