隣の彼はイケメン兄弟?!

「隆志、もう大丈夫だよ?」

そんな言葉にも耳を貸さない隆志。


「ずっと、こうしたかった。」

隆志は私をギュッと抱きしめる。


「隆志?」

「最近忙しかったし、花音は何か用事があるみたいだったし。ずっと花音に触れたくてしょうがなかった・・・。」

隆志は抱きしめながらも私の目を見つめる。


「花音・・・。」

隆志の顔は私の顔へとどんどん近づく。


キスされる!そう思った時、目を瞑って思わず「リョウ!」と叫んでしまった。


「リョウ?」


隆志は一瞬動きが止まる。

隆志は私に何か言いたげで、それも、少し悲しそうな顔で私を見る。

私が、隆志にこんな顔させているの?

隆志は私を離すと「帰ろう」と言った。


「手、繋ぐか?」

「もう、大丈夫。」


今までだったら、きっと流されてキスされていたかもしれない。

もしかして、もうそれを上手く交わせるようになってきたのかな?


いや、違う。


私は、隆志の背中を見つめていた。

何故私は、咄嗟にリョウと言ってしまったのだろう。

その言葉で私はキスから逃れたのだ。


私は、自分で自分が分からなかった。