すると、座った私の腕がギュッと誰かに掴まれた。


「何?」


私が声を出すと、隆志の人差し指が私の口元へ。


「しーっ!」


あっ、そうね。リョウが起きちゃう。

私達は小声で会話をし始めた。

隆志も私の隣に座る。


「おはよう。」


隆志は優しく微笑む。


「おはよ・・・。」

「なぁ?」

「ん?」

「外に出ないか?」

「えっ?でも・・・。」

「リョウの事は気にするな。朝飯でも買いに行った事にすればいい。」

「うん・・・。」


私は顔を洗って髪の毛だけ整えると、隆志と一緒にそっと玄関を出たのだった。