「飲み物何かちょうだい?」

「何が良い?」

「そのオレンジジュース。」


私は保冷袋からちょっと覗くオレンジジュースを指さした。

リョウは保冷袋からガサガサと一本の缶を取り出す。


「はいっ!」


私が渡されたのは、オレンジはオレンジでもジュースじゃなくてカクテル。


「これ、カクテルじゃん。」

「お酒好きなくせに。」

「好きだけど・・・。」

「じゃあ、飲んで?」

「飲むけど・・・。」


私は喉が渇いていたので、文句を言わずそれを飲んだ。

うわっ・・・ちゃんと冷えてるし。

保冷剤とか入れてたんだろうな。

重いのに、私のお弁当まで持ってくれちゃって。

私はそんなリョウの優しさが嬉しかった。