僕達は昼休みが待てなくて授業をエスケープして屋上に集まった。
3人でフェンスによりかかって、ただ黙って時間を過ごした。
「昨日のアレは何?」
僕はどうしても震えてしまう声を必至に抑えた。
「俺にはお前がアレを背中におぶってきたように見えた。」
淳がゴクリとのどをならして僕をみた。
「いやだ。やめて。」
僕は昨日の恐怖をまざまざと思いおこして、目をぎゅうっと閉じて両耳を押さえた。
「もう大丈夫だから。」
淳は僕の肩をぎゅっと抱き寄せた。
「また何かあっても俺達3人は一諸だろ。」
遠藤は僕の頭に大きな手をのせて、ポンポンと軽く叩いた。

「何、男3人でくっついてるの?」
いつからいたのか目の前に花子さんが興味津々で覗き込んでいた。
「昨日大変だったんだ。」
淳が昨日の出来事を説明した。
花子さんが目の前にあらわれた事で、恥ずかしくなった僕は急いで淳から離れた。
弱虫だって思われたかな。
実際2人と比べてそうだと思うけど。