その日の夜、僕達3人は学校の裏門で待ち合わせをした。
「夜の学校ってどうしてこんなに薄気味悪いんだろ。」
僕は1番に到着して二人を待っていた。まさか二人とも来ないなんて事ないよね。
そんな心配をして裏門の前を行ったり来たりしていると、僕はいきなり肩を掴まれて飛び上がる程驚いた。
「わあぁ~」
僕は両手をバタバタさせて大騒ぎしてしまった。
どんっ
何かにぶつかった。
「いてぇな。お前は何一人で騒いでるんだ。」
そこにはいつもとちょっと雰囲気の違う遠藤が立っていた。
遠藤の後ろには淳もいた。
「だって脅かすから」
僕はぶつぶつと小さな声で遠藤に文句を言ったが、それに対する返事はなかった。
「じゃあ行くか」
遠藤が目の前の門に手をかけてよじ登り校内に降り立った。
淳もそれに続く。
僕は足が地面に張り付いてしまったみたいに動けないでいた。
「なんだよお前、ここまで来て来ないつもり?まさか門が登れないんじゃないよな?」
少し呆れ顔の遠藤が門の中から僕を見ていた。
「あっうっ」
「大丈夫。手を貸してやるから来いよ。」
淳が門から手をさしのべている。
僕は黙って淳の手を取り門に足をかけて、すんなりと飛び越えた。