「無事解決でめでたしめでたしってわけ?よくも私を置いて帰ったわね。」

花子さんがフェンスの外側から僕達を通り抜けて目の前に現れた。
「うわあっ、花子さんだ。無事だったんだね。」
僕達は立ち上がって花子さんを迎えた。
「皆、心配したんだよ。」
「そうかしら?」
花子さんの目は明らかに疑っている。
でも確かに凄い事が続いたから、今の今まで花子さんの存在を忘れてたかも・・・
「置いて帰るも何もここがお前ん家だろ。」
遠藤いらない事を言うな~。
「あーそう。もう、あんた達なんて助けるんじゃなかった。」

花子さんは、ふんっと横を向いてしまった。
「あっ、あのお姫様って、」
淳は僕等の誰より早くピンっときて、花子さんの頬に感謝のキスをした。
それには今やっと話しが飲み込めてきた僕と遠藤も仰天した。
「何するんだよ。」
僕と遠藤が2人同時に怒鳴ったら、花子さんが笑い出した。
「ぷっくっくっ、やだ、あなた達2人が先に怒鳴ったら私が怒れないじゃない。」

花子さんはいつもの可愛い笑顔に戻っていた。