「あの、分かった事って何?」
僕はいつまでも睨み合っている二人の間に立って仲裁した。
「ふんっ、もう知らない。」
花子さんは宙に溶けるみたいにその場から消えてしまった。
「何だ~あの女。大体俺達が頼んだって、元はあいつが持ってきた事件だろ。」
遠藤はイライラして地面のアスファルトに片足をガンガン踏み付けている。
「まあ、そうは言っても今回の事件の被害者も学校の生徒なんだから、彼女には関係ないよね。」
淳が言葉を選んで遠藤をいさめてるのが分かる。
僕にはそんな風に言葉で落ち着かせるなんて事が出来なくて、さっきみたいに二人の間に入って余計にこじらせちゃうんだ。
「でもあの女、俺にばっかムカつく言い方するんだ。お前達に対する態度と違い過ぎるだろ。」
遠藤は不機嫌なままだったけど、落ち着いたみたいだ。
「ガキだな。それで、どうするんだ。」
淳は遠藤の文句には取り合わず話しを進めた。
「えっと、体育の授業中に怪我する生徒が多いんだよね。何故か体育館の中でだけ。」
僕も淳に合わせて話しをつないだ。
「そりゃ、体育館に行って調べるしかないだろ!!」
遠藤が皮肉な笑いを浮かべた。
「それって、これからじゃ・・・」
「これから?夜に決まってるだろ。」
遠藤は鼻で軽く笑った。
やっぱりな~。
僕は肩を落として覚悟を決めた。