あたしは椅子ごと

クルッと向きを変えた。


「水瀬…」


そこにはやはり水瀬が。


「ソレの答え、黒谷栄じゃない?」


水瀬はテキストを見ながら

あたしに問いかけた。


ってか…

『黒谷栄』、正解なんですけど。


「すげぇ水瀬ーッ!」



あたしが問題を見ただけで

諦めた問題なのに。


「だって俺一応この道の先輩ですから」


「あー…そだ水瀬って恋愛科の先生なんだったね」