阿達は 駅に停めてある 車を走らせ 一度家へと帰った

部屋に入ると 車のキーを テーブルの上に投げ捨て、タバコに火をつける
おもむろに タンスに近付くと 2番目の引き出しから 鍵を取り出す

「また こいつの世話になるとはな…」

そう一言漏らすと テーブルの上にある 灰皿でタバコを押し消す

車のキーを取り 外へ向かう
車に乗り込むと 待ち合わせの場所へと向かう………


着いた場所は ロペだった

入口には1人の男が立っている
男が深々と一礼すると
阿達は車から降り 男を軽く見ると キーを投げ

「久しいな…いつもの場所に頼む」
と 言い残し ロペの裏口へと向かう


ロペの開店時間は
10:00~19:00

店自体は終っているが
夜には夜の顔があった
その名も
[BAR Secret]

看板も何もない店…
会員制になっている

阿達は 裏口の扉を開け 中へと入る

まだ時間が早いのか 客の姿はなかった

カウンターには ロペのマスター 冬月 誠 の姿があった
阿達は カウンター越しに 冬月の前に座った

「込み入った話とは 何の話だ?」
阿達は タバコを取り出し 火を付ける

冬月は ウーロン茶を差し出す

「旗が出来た………
名前、入れてくれないか?」
阿達は 冬月を睨む

「…そんな つまらない話で 俺を呼んだのか?」
冬月も 阿達を睨み付けた
「つまらん話ではない
…マジだ………」

そう言うと 冬月は
布を阿達に 投げ付けた