トントン………

車をノックする音に 目が覚めた

運転席側の窓から ケータイを片手に 覗き込む 見覚えのない女性。

窓を開けると 女性はケータイを閉じて にっこりと微笑む

「初めまして 阿達さんですよね?」

阿達が軽くうなずくと
「よかった 私 森山美玖の友達で 近藤暁と いいます。」


シートを起こすと 車を降り 暁の目の前に立つ

「どうも…阿達魁輝といいます。美玖さんはどうしたんですが?」

状況が読めず これが精一杯の言葉だった

「美玖は寝坊したみたいで AM11:00くらいに 札幌駅に着くそうです」

朝のメールからして 寝坊は考えられない


…が ここは 暁の顔を立てて

「そうですか…お一人で 来られたんですか?」

暁は うなずくが すぐに首を横に振って
しどろもどろに なりながら 必死に説明をする………

阿達は 暁の肩を軽く叩くと…


「とりあえず ここを散歩でもしませんか?」

と、言い 先に公園を歩き始める

暁も 安堵の表情を浮かべ 後を付いていく………



阿達は 暁が何か 隠している事に 気付きはしたが 対した気にも止めず
暁との散歩を 楽しむ事にした


それが 後々の過ちに繋がるとか 気付きもせずに………