怜衣と楓の姿が 目に入った。 あいつらはやる気が 出るとすごい。 なんでも集中してできる。 「飛ばないの?」 二人に声を掛けた。 「飛びそうなんですけど 飛ばないんです」 怜衣が答えた。 「貸して?」 そういうと怜衣は自分が 持っていたロケットを オレに渡した。 なるほど。 一番肝心な水を止める 栓の部分がゆるいらしい。 オレはそこを握る。 「やってみて」 そう言うと楓が ホンプを押す。 ──ピシュッ ロケットは飛んだ。