プレシャス・ムーン

 あの夜の時と同じ金色の髪と、印象的なエメラルドの色をした瞳。

 大勢の男たちにも、まるで関心を示していないかのような表情で見つめている。

 ソフトデニムのジーンズに黒いインナー、上に薄い水色の前開きのシャツを羽織っている。突然、現れた人物に男たちは威嚇のように睨み付けた。

「何? こいつ」
「あっちいきな」

 現れた人物に、口々に難癖つける。
1人が、

「ガイジン?」

 と言ったせつな、金髪の彼は素早く走り寄る。

「誰がガイジンだ」
「わぁっ」

 背後に回られて驚く。とたんに腕を掴んで、そいつの肩にナイフを突き立てた。

「ぎぇっ」

 痛みでしゃがみ込もうとする男の傷を、ナイフでさらにねじって引き抜いた。

「ヒッ!!」

 声も出せずにうずくまる。

「……」

 ミカは、その光景に言葉を失った。