プレシャス・ムーン

「傭兵……?」

 そんな事が出来るの? ベリルは彼女の考えを悟り、付け加えるように発した。

「裏の世界ではね、公然の秘密のように生きていけるのだよ」

 そして彼女に視線を向ける。

「長生きというだけなので、さして注目されない」

「え……?」

 そうなのかな? 普通、永遠の命って、こぞって求めるものじゃないの?

 ベリルはそれに理由を加える。

「まあ、何度かは捕まって研究されたが。結局、誰も何も得られなかったのさ」

 とらわれの身はご免だ。施設を破壊して、彼はいつも逃げている。