その出会いのあと、マンションに帰って呆然としたまま就寝。

思い起こす顔立ちに思わずドキリとする。鼓動が邪魔をしてなかなか寝付けなかった。


 朝起きて、大学のオープンカフェで友達を待つ。

薄手のカーティガンと淡いピンクのワンピース。背中までの栗色の髪と、大きめの黒い瞳が可愛い。

「……ふう」

 夢……だったのかな。

「ミカ。おはよー……どしたの?」

 友達のエリが、カフェのテーブルでつっぷしている浅井ミカに心配して声をかけた。

 トレード・マークのポニーテールが可愛く揺れる。

 そのポニーテールを見つめながらミカは説明を始めた。


「へえ~夜の公園でね」

 アイスカフェ・オレを傾けながら、エリが興味深げにミカの話に聞き入る。

 ミカは説明し終わるとホッとしたようにアイスコーヒーを口に運ぶ。

 暖かな日差しがオープン・カフェを照らす。春の終わり、まだ暑さは感じない。