生きる

食事の途中、葵は思い出したように言った。
「あっ、マヨネーズ。サラダにかけたいから、持ってきてくれる?」
少しの焦りが過った。
もし、ケチャップと入れ物が一緒なら、見分けがつかない。
……でも、大丈夫だろ。
時生は立ち上がり、冷蔵庫に向かった。
冷蔵庫を開くと、時生の手が止まった。
入れ物が一緒だったのだ。
ここで間違えたら、怪しまれるかもしれない。
けど、時間をかけ過ぎても怪しまれる。
二分の一の確率で、時生は手前の入れ物を取った。