瑞希 時生の色覚異常になってから、五年の月日が経っていた。
モノクロの生活にも慣れ、前と変わらない日々を送っている。
別に後悔はしていない。
これも運命なのだ。
昼のラジオが流れる部屋の中、パソコンに向かって時生は仕事をしていた。
その仕事とは、小説家。
もともと読書が好きで、話作りにも興味があった。
彼女の早坂 葵に推されて、自作の本を作ったのだ。
それを出版社に持ってたら絶賛され、今の仕事に就いた。
締切に襲われる日々。