生きる

手術当日になると、時生も不安を隠せなかった。
包帯で視界が隠れているため、葵の表情が見えない。
自分の不安を気付かれたか、それとも気付かれてないのか。
時生には確認ができなかった。
葵はソッと時生の手を握った。
冷たく、少し震えている。
時生は自分のことで不安一杯なのに、関係ない葵も不安でたまらないのだ。
時生は幸せものだと感じたが、彼女に迷惑をかける自分を哀れにも感じた。
好きな女に心配をかけるなんて、本当に情けない。
自分が守らなければいけないのに。