生きる

次の角を曲がって、直進五分ぐらいで家に到着予定だった。
竜太郎が角を曲がろうとしたら、目の前には車がいた。
運転手も急いでブレーキを踏んだのだろう。
高いブレーキ音が響いた。
しかし、止まることは不可能だった。
竜太郎は衝突を待つかのように、恐怖からの直立不動だった。
「危ない。」
彰の叫び声が聞こえ、竜太郎はハッと我に返った。
そのとき、竜太郎は地面に尻を付いていた。
助かったのか。
ホッとした竜太郎だったが、痛みが身体中に走る。
右足を見ると、膝から下が切断されていた。
急なことで理解できなく、竜太郎は静かに顔を上げた。
さっきの車のボンネットがへこんでいる。
地面を見ると、彰が血を流していた。
頭の中の何かが、渦を巻いてるようだった。
気持ち悪くなった竜太郎は、痛みを忘れて気を失った。