それにしても、一体おトキは何処へ逃げたのだろう?


「岡崎さん、何か心当たりは?」


一刻も早く、我が愛車……いや、おトキを捕まえたい松田は、何か手掛かりになる事はないかと雇い主の岡崎に尋ねてみるのだが……


「さぁ……おトキさんの旦那さんは既に亡くなっていると聞いているし、身内の方はいないみたいですからねぇ」


結局、その日は警察の懸命なる捜査にもかかわらずおトキの逃亡先に関する有力な情報は得られなかった。


松田とシチロー達は、為す術もなくおトキの捜索は翌日へと持ち越された。