大学は今、昼休みである。


シチロー達は、学食で食事をしている学生のひとりに小島みどりの事を尋ねてみた。


「ねぇ♪小島みどりさんって娘を捜してるんだけど、君知らないかな~?」


学生は、特にシチロー達を疑う事も無く、ごく普通にみどりの事についてこう答えてくれた。


「ああ~♪『ハチハチ組』のみどりの事ね♪」



「『ハチハチ組』?……それって何の事かな?」


「バスト88の『ハチハチ』よ♪漫才やっててね
…もっとも、相方の美佳は事件に巻き込まれて亡くなってしまったんだよね…」


学生は、少し残念そうにそう呟いた。



美佳の死は既に大学の一部に知れ渡っているらしい。


そして、学生の話によると、その美佳と小島みどりは、揃ってバストが
88センチという事から大学の中で『ハチハチ組』という漫才コンビを結成していたという事実が判明した。


「それで、そのみどりさんは今どこにいるのかな?」


「みどりなら、今頃、作業場で昼休み返上で課題のシューズを造ってる筈よ。彼女、靴造りには真面目だから……」