「あ~あ、もうこんな時間だよ……」


時刻は午前二時を過ぎていた。


シチローの車でこのパーティーに来ていたチャリパイの面々は、おトキさんに代行運転業者を呼んでもらい、庭でその到着を待っていた。



と、その時!





ワン♪



「うわっ!」


シチローの背後から、
岡崎邸の番犬であろう
ドーベルマンが突然飛びかかって来たのだ。


「ぎゃああああ~~っ!」


驚きのあまり、腰を抜かして地面に尻餅を着いてしまったシチローの、その上から犬が覆い被さる。














「あははは♪
今のシチローの顔、見た~?」


「ここの家、庭にワンちゃんがいるんだね♪」


すっかり噛みつかれると思い込んで叫び声を上げるシチローの顔を、番犬は人なつっこくペロペロと舐めていた。


「うぇ~っ!なんだコイツ!やめろってコラッ!」


そんなシチローの姿を見て、てぃーだが笑いながら言った。


「もしかしたら、その
ワンちゃんが犯人見てるかもよ♪
名探偵さん♪
教えてもらえば♪」



まだまだ解決の糸口が見えないこの難事件…
28センチの靴跡は、いったい誰の物なのか?


小島みどりと事件の関連はあるのか?


そして『血文字』で書かれた『ババ』の意味しているものは…?