precious one



「愛花ー! 渋谷ー!」


遠くから、あたしたちを呼ぶ未矢の声がした。


「呼んでるし、行くか」

「うん…」


稔太の言葉に、あたしのドキドキは止まらない。

たった一言だけで、あたしの心はこんなにも大きく乱れるの。


みんなのところに戻ると、リーダーの稔太は、先生のところへと向かった。

一人になったあたしの元に、筒本が近寄ってきた。


「井上…さっきはごめんな?」


申し訳なさそうに、筒本は言った。

筒本が謝るなんて、普段からは想像できなくて。

あたしは戸惑いながらも返した。


「う、ううんっ。気にしないで。……こっちこそ、稔太がごめんね?」


あたしがそう言うと、筒本は安心したように微笑んだ。