precious one



稔太はあたしを見つめると、口を開いた。


「最近、遊史が愛花いじめてるの見て、なんかイライラしてさ。
わけ分かんねーけど、平常心保てなくなんだよ…」


そう言う稔太は、バツが悪そうに、視線を逸らした。

あたしはそれでも、よく分からなくて。


「俺、愛花のことになると、まじでダサくなる…」


呟いた稔太に、やっと言葉の意味が分かった。

その瞬間、顔がボッと赤くなった。


「あーもうっ、こんな俺見んなよっ」

「わっ……」


よっぽど恥ずかしかったのか、あたしの目を手で隠す。

その手は、少し熱かった。


「俺、お前のことすっげー好きだから、ダサいとこしか見せらんないかも…」


稔太の言葉に、あたしの温度も最高潮。

ダサいとこしか見せられないのは、あたしも同じ…

稔太が好きすぎて、余裕なんて持てないよ。