「宏太ー!!塾の宿題終わったー?!」

「終わってねえ」
またきたし…
宏太と、同じクラスで同じ塾に通ってる子。
ちなみに女の子で、好きでもない男に無駄に近寄るやつ。
女子からは結構嫌われてるけど、案外男うけはいいんだよね。
だから宏太に絡まれるのは嫌。




潮田瑠樹奈(ウシオダルキナ)って言うんだけど、あたしは潮田さんのことは好きじゃない。



「じゃあさ、今日の放課後に一緒にやらない?」



…は?
無理無理!!

許さないから!!
あたしに決める権限ないけど…
絶対いや!!



「べつにいいや。やんないで行くから」


やんないのはどうかと思うけど、潮田さんと一緒は嫌だし、よかった。
心の中でガッツポーズした。




「ふーん」


そういって
潮田さんは自分の班に戻っていった。
なんなのよ。

どうせ、宏太のこと好きな訳じゃないんでしょ?
ただ男にくっつきたいだけなら、別に宏太じゃなくてもいいじゃん。

「俺さぁ」


宏太が髪をくしゃっとしながらまた机に突っ伏して話しかけてきた。
宏太が話しかけてくれるなんて…
びっくりして慌てた。