ピチャ・・・
ピチャ・・・
ピチャ・・・

その音は、しだいに強くなっていく。
・・・近づいてくる。
何かが。
またこの夢かと思い返してみる。
今思えば数えきれないきらいこの夢を見た。

ピチャ・・・

いつもならこの『何か』が後ろに来た時点で目が覚める。

なのに・・・
覚めない・・・

ピチャ・・・
ピチャ・・・
ピチャ・・・

「ねぇ・・・」
後ろの『何か』が話し掛けてきた。

「ねぇ・・・聞こえる?このメロディが・・・」

『何か』が言い終わると
歌がきこえてきた。

「私・・・身体がバラバラなの。必要なの。”あの人”を殺すにはまた身体が必要だから・・・」

「だから・・・?」
俺は振り向いて問い掛けた。

でも・・・・・
目の前にいた『何か』は
頭しかなくて。
悲しげな瞳で俺を見た。

そして・・・・・・・・

「あなたの身体・・・・ちょうだい・・・・?」

頭からするりと伸びた髪が俺の腕と足に絡み付き
ギチギチと根元から締め上げていく。

「う・・・・あぁあ・・・・っ」

骨か根元から悲鳴をあげる。ヤバイ。ちぎれる。

「ちょうだい・・ちょうだい・・・ちょうだい・・・・・・」

俺の耳元で頭は女性のような口振りで言う。

歌が大きくなっていく。
ヤバイ、ヤバイ、ヤバイ・・・・!!

「や・・めろ・・・っ」



ブチッ・・・・・・・・



何かが切れる、音がした・・・・。