「どうしたの?」
一人で泣いてるんだから邪魔しないで欲しい。
上を見ると、担任の高津先生がいた。
「大丈夫?泣いてるみたいだけど。」
やさしい声をかけてくれるが今は一人でいたい。
「大丈夫です。」
と言い立ち上がりどこに行こうか考えていると
「顔洗ってたほうがいいよ。」
と言われたので鏡を取り出した自分の顔を見てみると泣いたことがモロバレだ。
「こっちおいで。」
と目の前の扉に入っていった高津先生の後に続く。
技術準備室って書いてあったな。そういえば、先生は技術の先生だったよね。
顔を洗っいながら一人で納得していると隣から真っ白な清潔そうなタオルを渡された。
ありがたく使わせてもらい、回りを見渡すときちんと整頓されていて綺麗だ。先生綺麗好きなんだ。
目の前にある机と椅子に座るように言われて、座る。
先生もティーセットを机におき、私の向かいに座った。
ティーセットはとてもオシャレで先生のジャージとすごく不釣り合いで笑ってしまた。
「先生って案外オシャレなんですね。」
「案外って。垣内さんこそ案外失礼なんだね。」
いや、誰が見てもそう思うよ。
先生が紅茶をいれてくれた。匂いが部屋中に広がる。甘酸っぱい匂いがいまの私の気持ちを落ち着かせてくれた。
「すっごくいい匂い。なにですか?」
「ゆずの紅茶なんだ。僕の最近のお気に入り。」
一口飲んでみるとゆずの味がさっぱりとしていて飲みやすい。
「おいしいです。」
と笑顔で言う。
「よかった。」
と先生も笑った。
先生は涙のことには触れずに授業はどう?とか普通の会話ばかりしてくれた。
授業や教室にいる先生は弱気で怖ず怖ずしてるからあんまり好きじゃなかったけどこうして話すといい先生だなとおもう。みんな勘違いをしてるなって。
遅くなる前に帰ろうと思い、先生にお礼を言って、急いで帰宅した。
先生と話して少し気が紛れてよかった。先生の意外なところも発見できたしね。
一人でベッドで寝転んでいるとやっぱり浮かんでくるのは和紀君のことで…また泣いてしまった。
