付き合っているわけじゃないから手を繋いだりすることはないけれど、宗介くんはいつも隣にいてくれた。




その日、ご飯を食べて帰る途中に突然雨が降り出し、私は初めて宗介くんの家にお邪魔した。


雨に濡れた私は、誰もいない家の宗介くんの部屋に案内され、


「タオル取ってくるから」

と、宗介くんは一階に降りて行った。


初めて来た部屋で1人にされた私は、なんだか落ち着かなくて座ることもできなかった。

しかたなく壁や綺麗に並べられた本棚を眺めていた。



棚の中に和志がよく読んでいた本があって、懐かしくて手を伸ばした。


「あ……」


パラパラと本のページをめくっていると、間に挟まれていたらしい写真が一枚私の足元に落ちた。