そんな約束をして、クリスマスに宗介くんが連れて行ってくれた場所は海の近くにある観覧車。


また和志を思い出す……。


和志と一緒に来た場所。


和志と一緒に乗った観覧車。



辛い気持ちより、懐かしさのほうが大きかった。



けど、やっぱり時々宗介くんが和志に見えた。




「和志……」


観覧車の中で夜景を見ながら呟く。


自分でも気づかないくらい自然と和志の名前を口にしていた。



「ん?何か言った?」


何を言ったのかまでは聞いていなかったようで、宗介くんは「どうしたの?」と首を傾げる。


「綺麗だね……」



和志と見た時と同じ風景。


変わらず綺麗なまま……。


ここに和志はいないけど、何もかもがあの時と同じだった。