「嫌いだった?」


手を止めた私に心配そうな顔をする。


「ちが……。違うの……」

二口、三口食べて涙が止まらなくなった。


「泣けるほどおいしい?」

「う…ん……」


懐かしくて、温かい味がした。

思い出の味……。


和志と一緒に食べている気がして、全部食べれた。


「よかった」


キレイに食べきったお皿を見て、宗介くんが優しく微笑む。